あ、今日もコーヒーのこと書いてなかった。
気が付けば週末超えて月曜日。
一昨日の、その前日の金曜日は読書会でした。
ラインナップは、
『かないくん』 作 谷川俊太郎 画 松本大洋
『私説ミジンコ大全』 坂田明
『決戦 関ヶ原』 双葉社スーパームック
『空飛ぶ馬』 北村薫
『人はいくつになっても、美しい』 ダフネ・セルフ
『+1cm』 キム・ウンジュ
『吉祥寺の朝比奈くん』 中田永一
『生きる意味』 上田紀行
でした。
ミジンコから関ヶ原まで、相変わらずの幅広さ。
楽しゅうございました。
私は「生きる意味」を発表です。
戦後から大きな経済的発展を遂げた日本。
戦後は十分な教育を受けられなかった人たちが、自分の子供には同じ思いをさせまいと努力し、現代は全ての人が望めば大学に行けるような
恵まれた時代でありながら、大くの学生は「行かされている」と感じている。
確実に豊かになって恵まれているはずなのに、その分だけ幸福だと感じることができなくなっているような。
日本での自殺者は年間3万人を超え、その多くが生活苦だと言う。他ではもっと貧しい国があるのになぜ。
と、こんな感じでこの本は進んでいきます。
興味深かったのは、今までの生きる意味と現代の生きる意味の違いの考察。
戦後、何を求めて生きるのかという欲求は、右肩上がりの経済成長時には安定していた。
他の人が欲しがるものを欲しがっていれば安心で、世の中の流れに乗っていることが幸せだった。
冷蔵庫、洗濯機、テレビ。その次は車、カラーテレビ、エアコン。
物が少ない時代、これらを手にすることが人生の目的だった。
その欲求を満たすためにどんどん物を作って経済が成長した。
戦後からの時代は、経済成長と生きる意味が社会のシステムにマッチしていた時代であった。
物、職業、教育。自分がどう生きたいと思うかよりも、そんな「他人からの目」を意識して物事を選択していれば良かった時代もバブルの崩壊で変わる。
「自分の人生を生きたい」「自分の本当に欲しいモノが欲しい」といった抑圧された欲求も経済成長で潤っているときは良かった。
自分の本当に望まない人生でも、物や世間体で満たされていれば納得できた。
しかしバブルの崩壊で、右肩上がりの神話は終わり、経済的な利得は得られなくなった。
他者の欲求が無効になり、自己責任が強調される時代になった。
考えることをしてこなかった社会は、そこで生きる意味を持てなくなった。
それが現在の日本の社会だというのです。
ここからさらに、グローバルスタンダードや構造改革、日本の「経済成長教」信仰など、日本の現在の状況を掘り下げていきます。
日本は十分に成長した。
GDPはイギリス、フランス、ドイツに匹敵するにも関わらず、さらに成長しようとする。
この本が言いたいのは、大事なのは成長ではなく中身。
沢山の給料を貰うために残業をし、どうなるのか。
それよりも、残業を減らし、その分家族との時間を増やすことのほうが大事だと。
わかりやすく言うと釣りバカ日誌のハマちゃんのように生きようというのがこの本の言いたいところですね。
確かに最近は過労死の問題なんかも大きく取り沙汰されているしこういう生き方も大事なんですが、なかなか「じゃあそうしよう」とならないところが
(できないところと言ったほうがいいのか)日本の長い間信仰してきた経済成長教の刷り込みですよね。
特に自営業の人なんかはなかなかハマちゃんみたいにできない。
私も「ガンガン行こうぜ!」ていうのと、「あんまり無理すると死んじゃうよ!」の狭間で揺れ動きながら日々生きているわけでして、
でもやっぱり動いてないと落ち着かなくて、休日も心は休まらないなんてのが普通です。
なんだかいろいろ書いてて取り留めがないんですが、読み終えた感想は「いろいろ考えちゃったけど答えは見つからない。」
この本が出たのが2005年と、10年以上前で、人間の本質は変わってないんでしょうが時代は大きく変わっているわけで。
ホントに時代の変わり方が急激なので、なんとなく脳がこの変化についていけてるのかどうか、どう捉えれば良いのかっていうことをいろいろ
考えてしまいました。
なんだかんだと書きました。なに言いたいんだかわからないよ!て方もいらっしゃるでしょう。
とりあえず読みやすく書かれておりますので、今の人生に悩んでおられる方、悩んでない方もぜひお手に取ってみてください。
さて、最近結構ビックリすることがありました。
何かは言えませんが、ちょっとづつ目標に近づいている実感があります。
やはり目標を持つことは良いこと、なんでしょう。頑張ります。